トップページ > 撮影裏話 > コンパクトデジカメならではの撮影法

コンパクトデジカメならではの撮影法

2007-02-17

まずは写真をご覧ください。

このところ暖かい日が続きウメもどんどん咲いてきました。この写真は昨日、洞泉寺の白梅をコンパクトデジカメでパチリと写してきました。

この写真の特徴は、まず目につくのが、一輪のウメの花が大きく写っています。また、その後方には、ボケているものの、たくさんの花が咲いている様子がわかり、更に後方には土塀が写り、撮影場所の環境を読み取ることができます。

この写真は、1/2.7型の小型CCDを撮影素子とする、コンパクトデジカメの特長を生かして、それならではの撮影法で写しています。

こういった画面構成は、35mm一眼レフカメラではかなり難しく、また私が常用する6×9判の中型カメラでは不可能に近い写し方です。

簡単に解説しますと、同じ撮影画角であっても、フィルムやCCDのサイズが大きくなるほど、レンズの焦点距離が長くなります。焦点距離が長くなると「ボケ味」が異なってくる、言い換えれば「被写界深度」が浅くなってくるため、サイズの大きいカメラでは絞りを深く (数字を大きく) しないと、ピントの合う範囲が狭くなります。また、どのレンズでも、近接撮影になるほど被写界深度は浅くなります。

ちなみに画面規格による違いを表にまとめてみました。

画面規格長辺短辺レンズ焦点距離
6×9判82.6mm56mm65mm
35mm判36mm24mm28mm
1/2.7型5.3mm4mm4.3mm

この写真の撮影では、ウメの花を大きく写すため、レンズ先端が花まで数cmくらいに接近しています。もし35mm一眼レフカメラや6×9判の中型カメラで、同様な写し方をしようとすると、レンズの焦点距離が長く、また超近接撮影となるため、いっぱいに絞り込んだとしても背景はボケボケになってしまい、撮影場所の環境などがうまく表現できません。

すなわち、「広角レンズによる超接写」こそが、コンパクトデジカメならではの撮影法というわけです。

関連リンク : 被写界深度の解説 (IT用語辞典) ≫


投稿者 Matsumoto : 2007-02-17 13:34

コメント

現在、この記事のコメント受付は行っておりません。
メッセージは「錦帯橋の四季メールフォーム」よりお寄せください。