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桜名所の危機?

2009-04-03

今年の桜は花冷えのため、開花がなかなか進まず、今日あたり、散り始めと蕾が同居している状態です。それはそれで異常に感じますが、実は、ここ何年か、もっと重大な異常事態になりつつあるのではと感じています。

結論から先に申しますと、錦帯橋のソメイヨシノが一気になくなってしまうのではないかと危惧しています。

ここ10年くらい、花付きのまばらな木が増えたり、強風で根こそぎ倒れる木が発生したりしており、桜の樹勢が目に見えて衰えてきているように感じます。

今日の写真をご覧ください。何か感じられますか?

写真は錦帯橋のすぐ側ですが、根元が踏み固められてカチカチになっています。またコンクリートなどで固められている部分も多くあり、根の状態がよくないであろうことが容易に想像されます。

根元が踏み固められてしまうと、土に水が浸透しにくくなり、また含まれる空気も減るため、根が浅く張る桜はダメージを受けてしまいます。

強風で根こそぎ倒れる木が発生するのは、根が傷んでいる証拠であり、その痛みは幹や枝にも波及しているように感じます。現に、幹が朽ちたり、枝が折れたりした木は決して少ない本数ではありません。逆に完全に健康な木の方が少ないのでないかと思います。

俗に「桜切るバカ、梅切らぬバカ」などと言いますが、「桜切るバカ」とは、桜の枝を切ると、切り口が塞がりにくいため、そこから朽ちてきて、それが段々と木全体にダメージを与えるという意味です。もちろん枝を剪定してはいけないのではなく、切った跡を適切に保護してやれば問題はありません。

残念なことに錦帯橋・吉香公園一帯の桜は、その保護が充分にされるどころか、最近まで切りっぱなしの状態でした。そこから朽ち始めている木はかなりの本数になるでしょう。

ここ数年くらいでしょうか。剪定後の大きな切り口保護が行われるようになり、また苗の補植も多く行われるようになりました。

しかし、時すでに遅しの感もあり、今すぐに、特に根元の徹底した保護対策を講じない限り、樹勢の衰えをストップさせることはできず、近い将来、桜の名所は崩壊するでしょう。

痛々しい桜の状態は、「続・桜名所の危機?」でご紹介しています。

投稿者 Matsumoto : 2009-04-03 20:46

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