続、続々・災害対策と景観
2006-02-28
以前より、「災害対策と景観」、「続・災害対策と景観」及び「続々・災害対策と景観」とシリーズで、私の感じたことを書きましたが、今回は更に更に続編です。
過去3回、錦帯橋のすばらしさは、背景の山をはじめとして、周囲の景観も含めたものであり、山をコンクリートで固めてしまっては景観を、ひいては錦帯橋を台無しにしてしまう旨を一貫して書いてきました。
さて本日、一連のテーマにしてきた、龍江淵の側で行われてきた崖の災害対策工事は、一応完成して通行が可能になりました。
そこで、さっそく、完成した道路を通ってきました。そして、はじめて近くに寄って様子を見ることができました。
結論から言いますと「どこが景観配慮じゃ」との感想です。
確かに、市の説明どおり、崖には土を乗せて樹木を植えてありますし、フェンスにはネットを被せてあります。ただ実際には、樹木は数十センチの苗木が点々と植えてあるだけですし、ネットを被せてあると言ってもフェンスの存在感は一向に減っていません。
はっきり言って、遠めに見ると、景観配慮してあることにすら気が付かない状態です。
あの苗木が大きく生長するには相当な年数がかかるでしょう。しかも点々と植えてあるだけですから、崖全体が樹木に覆われるのはいったいどれだけかかるのでしょう。
また、被せたネットも、カモフラージュネットなら、もう少しは効果があるのかもしれませんが、ホームセンターで普通に売っているようなネットでは...
もちろん、危惧していたとおり、当初「災害対策と景観」で紹介した、宇野千代が描写した龍江淵の雰囲気は、道路拡幅により、ほとんど失われてしまいました。
今回、2006-3-20 には広域合併して新・岩国市になる直前だと言うのに、岩国の財産が、またひとつ失われる大変残念な結果になりました。
※写真解説
1枚目、完成した崖を道路から見る
2枚目、崖に点々と植えてある苗木
3枚目、以前より大変見苦しい状態の錦帯橋下流から上流側を眺める景観
投稿者 Matsumoto : 2006-02-28 18:40